小田原は古くより、梅花の名所・梅干の産地として知られています。
これは、北條氏の時代に城内および氏族の屋敷に梅の木を植えさせたのが始まりと言われています。平時には梅の花を楽しみ、戦時には携帯用食品として梅干をつくりました。

梅干が小田原の名産として広く知られるようになったのは、江戸時代に小田原が宿場町として発展してからで、東海道を上下する旅人が箱根の難所を越える際、気力・体力を養い、渇きをうるおし、弁当の腐敗を防ぐものとして、梅干が必需品であったためです。

こうして小田原は、梅の栽培に適した風土に恵まれ、梅干作りには欠かせない塩も相模湾に面した地の利を活かして生産されていましたので、梅干の産地として発展してきました。

現在も市の北東部に広がる曽我梅林で、様々な品種の梅が栽培されています。
中でも「十郎」は、梅干用の梅として大変優れた品種で、数ある梅の中から選び抜かれた、まさに小田原を代表する梅です。皮がうすく、肉厚で、種離れがよいのが特徴で、「十郎」と命名されてから50年以上の歴史があります。
⇒ちん里う本店の「曽我の十郎梅」はこちら

毎年2月に曽我梅林で開催される「梅まつり」では、真っ先に美しい白い花を咲かせる「十郎」の様子で、その年の梅の実の良し悪しを予測します。

生産量は少ないものの、品質ではどこの産地にも劣らない、小田原の梅干をぜひご賞味下さい。