2012新茶レポート 佐々木製茶さん 4/4
とっても爽やかな佐々木余志彦社長にお話を伺いました。 お茶への情熱を熱く語って下さいました。 佐々木製茶は当初、農家が集まって出来ました。 当時の燃料は石炭だったのですが、個人でボイラーを炊いてお茶を揉むということが大変難しかった時代なんです。それでは集まろうということで、150名の農家が集まって出資して、株式会社が出来ました。これが母体になっています。 始まったころの契約農家は150軒でしたが、高齢化や農業以外の産業が盛んになったことなどにより今は75軒ほどに減っています。でも畑の面積は80倍ほどになっています。 普通のお茶問屋と違うのは、土づくりから生産過程、茶葉の受け入れから加工、袋詰めまですべて1社で一貫していることです。 問屋は600軒ほどありますが、99%は荒茶を仕入れてブレンドし販売しています。 |
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若手の農家さんが育っています後継者も育っています。掛川の町にこいのぼりが多いのをご覧になったでしょうか。30~40代の働き盛りの農家さんがたくさんいてお子さんがいるからです。若手が育っているんです。私たちも農家さんの生活を守るため、責任重大といえます。 そのためにはどうやっていいお茶を育てて、みんなの生活が良くなるか、農家の人たちにも伝えて行かなければいけないと思っています。 生産現場は厳しいですけれども、いいお茶を作ることに生きがいを感じていただけてる農家が多いと言うことを感じています。 今残っている農家さんはそうやって集約されてきた力のある農家さんが残ったといえます。 |
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日々研究約半分の35名の農家さんで、研究部会というのも開いています。土のブレンド方法などの研究もしていまして、成果を共有してどんどんいい方法を実践しています。たとえば、1つの畑を分けて別々の肥料を入れてどう育つか、のようなことを調べています。今残っている農家さんはそうやって集約されてきた力のある農家さんが残ったといえます。 |
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畑の名札システム畑の名札システムも、生産者の顔を表に出そうということで、昭和60年ごろにはもう始めていました。まだ「トレーサビリティ」が言われ始めるずっと前のことです。と言っても人が立っているというわけには行きませんので、名札を立てることになりました。 大きな畑小さな畑合わせて全部で1000枚ほどありますが、その1000枚全部に名札を立てています。生産者の名前や品種が書いてあります。 その畑を全部回って、もし少しでも管理が悪い畑があれば、チェックが入ります。 これは現在のトレーサビリティのモデルケースにもなっています。 |
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「土」の品評会秋には「土」の品評会も行っています。契約農家がそれぞれ一番よくできた畑を出品して、土の柔らかさや有機質肥料と土の混ざり具合、毛細根の状態などを見て優秀な畑を決めます。普段目では見えない部分、土を起こしてチェックすることが出来ます。 しかも、次の年には別の畑を出さないといけないのでいつも気が抜けません。 |
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掛川の恵まれた地勢も美味しいポイントとてもいいお茶ができる場所として、小笠山、東南平の二つがあります。もとは大井川沿いの肥沃な平地で古代人が農耕生活していたようなところが隆起して山になっています。今でも茶畑を掘ると土器が出てきたりするんですよ。そのぐらい、肥沃な土地です。南北に長い掛川市ですが、その真ん中なのに一番早くお茶が育ちます。暖かい南のほうが早そうに思いますが、真ん中なのに早いんです。 風や日当たり、土などの具合によるものでしょうが不思議なものですね。堆肥を置くと発酵により温度があがるので、そういうのもあるかもしれません。 この土で、キロ2万円・3万円っていうような高級品種が作られる畑もあるんですよ。3ヶ所くらいしかない希少な畑です。 |
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50年前の乾燥機今では売っていない乾燥機があります。大河原製作所というところで作られたものです。今は医薬品の乾燥機を作っていてお茶の乾燥機からは撤退しています。その会社の創業当時の第1号がうちにあります。これが最高にいいんです。鉄板の厚さなのか、火のあて方なのか分かりませんが、何かあるんでしょうね。大事にメンテナンスして50年も使っています。これはもう手放せないです。 どんどん新しい機械が出ていますが、これに勝る機械は今は無いです。 |
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お茶を見極める力従業員には、お茶の鑑定訓練をお願いしています。お茶を売るからにはお茶を見極める力が必要だからです。2000円のお茶と1000円のお茶の違いなどをお客様に説明できないといけません。お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました! おわり えじまのお茶のページはこちら! |