リンナイ編 :

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リンナイ編

リンナイ編

今回のメーカー探訪は、名古屋。
ガス器具メーカーの最大手「リンナイ」さんへお邪魔しました。

厨房機器開発責任者イノマタさんと、大口工場長イシカワさんにお話を伺いました。

この8月に(2010年8月)フルモデルチェンジした「DELICIA」の開発経緯を伺ううちに、業界をリードする「リンナイ」の開発の原点が徐々に見えてきました。

まず今回新しくなった「DELICIA」開発での苦労話などを聞かせていただけますか?
今回の一番の目玉は、「清掃性をよくしましょう。」
ということです。

一つは、ガラストップ天板への焦げ付きを防ぐ根本対策。
「天板の温度を下げる」という取り組みです。
火にかけた鍋からの熱幅射によってバーナーまわりのガラス表面温度は220度にもなってしまいます。
この高温での焦げ付きを解消するために 天板の温度を、炭化しない温度「200度」以下にすることを 目標に取り組みました。
具体的にどのようなご苦労があったのでしょうか?
そうですね。
最初は、よく電化製品などについている放熱用のフィンで、できないかを試しました。 大きいものから小さいものまで、十種類以上は試作品を作りましたね。 表面積を多くし、そこに風を通して器具の温度を下げるというものでした。
しかし最終的には、とてもシンプルな構造に行きつきました。
熱伝導の良い「アルミ板(2mm)」をガラスの下に全面に組み込み、そこへ熱を逃がすのです。
そうすることで熱は拡散され、
結果、表面温度160度まで下げることができました。
どうして「アルミ板」へ行きついたのですか?
当社の「DELICIA グリレ」という商品は
唯一アルミ天板を使用したコンロで、そのコンロの天板では焦げ付きが少ないという報告からですね。
なるほど~
二つめは、コンロから少し広がって「室内環境」をキレイにするという取り組みです。 魚を焼く際にでる、匂いと煙が嫌で魚を焼きたくないというユーザー様からの声から、 なんとかして「脱煙、脱臭」をできないかと考えました。

IHクッキングヒーターでは、「触媒」という技術で匂いを吸着する方法で脱臭を試みています。
当社でも触媒を試してみましたが、魚のニオイを分解することで「魚らしからぬ匂い」に変化することが分かりました。
魚らしからぬニオイ? どんなニオイだろう・・
これは個人的な感想になりますが(笑)
どこか酸っぱいようなに匂いにかわる感じですね。
私的にはよろしくないなと判断しました。

触媒以外の方法を探した結果、煙を出口で焼ききってしまうという「アフターバーナー」に行きつきました。

触媒では300度に熱し、活性化させるのに対し、
アフターバーナーでは、シュバンクバーナーを採用し800度で焼き切ります。

結果、排気口からでる煙は従来の81%、ニオイは99%のカットを実現しました。
すごい!それではこれから使用されるお客様の反応が楽しみですね。











魚を焼いた時の匂いが気になるというお客様からの声は、 以前から高かったのでグリルの「脱煙・脱臭」の方法については 4年ほど前から考えていたそうです。

お客様が声を元に、その悩みをなんとか解消できるように考え、4年間の試行錯誤の結果が、今の新製品になったそうです。

新製品が発売されるたびに少しずつ進化をしていく改良は、 すべてお客様の声を元にしたリンナイからの回答だったのです。


御社では最近、温調機能が、標準バーナーから大バーナーへ移行されましたがそれはどうしてですか?
揚げものなどをする際には、必ず調理スペースが必要です。
調理をする際の動線を考えると、調理スペースに近い「大バーナー」側に温調があった方が、 使いやすいと判断したからです。

ただでさえガス種があって、さらに左右の大バーナーもあるので製造が大変ではないですか?

両方が大バーナーからトロ火まで使えれば、 製造ラインも楽になって、コストも下がるのではと思うのですが、まぁ本音を言えば、当店の在庫管理が簡素化されるというのもあるのですが・・・(笑)

「うんうん」

と工場長がうなずいている。
片側を標準にすることで、トロ火をより小さくできるというメリットがあるんです。
どうしても構造的に火力変化の幅が決まっているので。

設計が強火力によってしまうと 火力を絞ったときに トロ火にしてもここまでしかできないということになってしまう。両方を強火力にするよりは、 強火力もできるけど片方では トロ火に適したバーナーも置いておこうというのが、 今のところのわれわれの考え方です。

トロ火の火力量が20~30kcalというごくわずかの差であっても 時間を累積していくとその差がでてくると考え、私達はそっちを優先したいので 製造ラインにはお願いしますとあたまを下げている状況です。
(笑)
なるほど、そう考えるとお客さま本位つくっているのだな・・ということがよくわかりました。

今回リンナイは、「ガラス天板の低温化」「グリルの脱煙・脱臭」とうい二つの改良に成功し、ガスコンロをまた一つ進化させました。

お話を伺う中で一貫して感じられたのは、
「ユーザー視点」での改良を繰り返しているということでした。

創業当初のコンロと比べて、見た目はずいぶん変わりましたが、
「毎日の食事を作る」という大切な役割は変わりません。

使い切れないほどの便利機能が増え、安全性やデザイン性も重要視される中
本当に必要な機能を、如何に分かりやすくデザインするか。
日々使う調理器具としての「使いやすさ」にこだわり、
試行錯誤していることが分かりました。

より楽しく、より美味しい料理が作れる調理器具メーカーとして
開発の方々の挑戦は続き、さらに進化していくことでしょう。

これからもどんな新製品を発表するのか楽しみにしています。
取材にご協力いただきまして誠にありがとうございました!